5日、富士ゼロックスは、富士フイルムの技術協力を得て、植物(今回はとうもろこし)由来成分を30重量%以上含むバイオマスプラスチックを開発したと発表した。今後は、このプラスチック製部品を順次商品に採用していく予定で、従来のプラスチック(ABS樹脂)を使用した場合に比べ、CO2排出量を約16%削減することが可能という(LCA評価による)。
バイオマスプラスチックを部品や商品に使用する場合、ある一定値以上の難燃性(燃えにくさ)と衝撃に対する強度が要求されるが、難燃性と衝撃強度は相反するため両立させることが難しく、また、植物由来成分はその性質上、高い湿気や温度で分解するという問題を抱えている。そのため通常は、全重量に占めるバイオマス樹脂の割合を下げ、難燃剤や石油系強化剤の割合を上げることにより、両立が図られている。
富士ゼロックスは、通常より植物由来成分を多く使うことでCO2の排出量を削減することを目指し、植物由来成分25重量%以上を目標に開発に着手、優れた耐衝撃技術や成形技術を持つ富士フイルムとの共同プロジェクトを立ち上げた。そして、難燃剤の使用量を従来の半分以下とすることが可能な処方を開発し、その分植物由来成分を増やして30重量%以上とすると同時に、弱点とされていた耐衝撃性及び耐湿熱性の向上を図ることにも成功。植物由来成分を増やしながら難燃性と衝撃強度・湿熱安定性を両立させた。
機構部品(可動部に使われている部品)へも適応可能なバイオマス樹脂の開発は業界初で、これにより、富士ゼロックスが使用している従来のプラスチック(ABS樹脂)は、機構部品を含めてバイオプラスチックへの代替えが可能となる。
富士ゼロックスは、材料設計・分析、難燃性と安全性評価、成形性の検討などについて富士フイルムと知見を出し合うとともに、開発初期より素材メーカーであるユニチカの協力も得て、バイオマスプラスチックを開発してきた。今後、3社は、開発物にさらに改良を加え、より高い仕様に適応させるための技術開発を進めていく方針。